ローマ歌劇場日本公演 「シモン・ボッカネグラ」 (5/31) [オペラ(国内)]
ローマ歌劇場「シモン・ボッカネグラ」
ジュゼッペ・ヴェルディ作曲
「シモン・ボッカネグラ」プロローグと第3幕のメロドラマ
台本:フランチェスコ・マリア・ピアーヴェ、アッリゴ・ボーイト
指揮:リッカルド・ムーティ
演出:エイドリアン・ノーブル
美術:ダンテ・フェレッティ
衣裳:マウリツィオ・ミレノッティ
合唱指揮:ロベルト・ガッビアーニ
シモン・ボッカネグラ:ジョルジョ・ペテアン
マリア・ボッカネグラ(アメーリア):エレオノーラ・ブラット
ガブリエーレ・アドルノ:フランチェスコ・メーリ
ヤーコポ・フィエスコ:ドミトリー・ベロセルスキー
パオロ・アルビアーニ:マルコ・カリア
ピエトロ:ルーカ・ダッラミーコ
伝令:サヴェリオ・フィオーレ
侍女:スィムゲ・ビュユックエデス
ローマ歌劇場管弦楽団、ローマ歌劇場合唱団
*****
2013年10月にオーチャードホールでのムーティ講演会『ムーティ、ヴェルディを語る』で語られたことがまさに実践されたようなムーティ指揮のローマ歌劇場「シモン・ボッカネグラ」。
音楽と言葉が一体となったドラマティックな公演で、大変、素晴らしかった。
講演会の時、「ヴェルディのオペラは『言葉の劇場』と言うだけあって、言葉の一語一語に、そして音楽の一音一音に感情がこめられている」とムーティが語っていた通り、風の音、海の波音といった情景描写、また人間の喜怒哀楽、あらゆる感情表現が端的に音楽で表現された「シモン・ボッカネグラ」。
時には立ち上がって緻密に細かく指示を与えるムーティさんの理知的な指揮からは、渋く陰影のある音色、はたまた神の祝福を願う天上の音楽が奏でられたりと、終始、叙情的かつ格調高い演奏で素晴らしかった。
出演歌手のうちメーリ、ベロセルスキー、ダッラミーコ、フィオーレ、ビュユックエデスの5名は、2013年夏のザルツブルク音楽祭でのムーティ指揮ローマ歌劇場の「ナブッコ」にも出演していた歌手。
どの歌手もパワフルで情熱的な歌唱で上手い。
雄弁な音楽と共に迫力のある二重唱、三重唱が素晴らしく、何度も感動させられた。
特にシモンとアメーリアの二重唱や最終幕でのシモンとフィエスコが和解する二重唱は涙もの。
フリットリの降板にはがっかりさせられたが、蓋を開けてみれば、代役のエレオノーラ・ブラットも清楚な初々しさが役柄にあっていて素晴らしかった。
よく通る凛とした美しい歌声でフリットリとはまた違った魅力のある1982年生まれの若手歌手。
弱音も高音も美しく、またいつか聴いてみたいと思わせる歌手だった。
メーリの爽やかで伸びやかなテノールにも惚れ惚れ。
昨秋の講演会で変な演出を痛烈に批判していたムーティさんらしく、演出は古風な品の良いもの。
三越デパートにあるようなライオン像まであった。
昨今の前衛的な変な演出が嫌いな私にとっては、大満足の演出。
音楽と歌手が素晴らしければ、今回のように演出はそれを邪魔しない程度のもので十分です。
最終幕フィナーレで最後の一音が鳴り止むと同時に、ブラボーの歓声が飛んだのはちょっと残念。
せめてムーティがまだ腕を挙げている間は、もう少しシモンの死を悼みながら悲しみの余韻を味わいたかった。
それ以外は大変、素晴らしい公演で大満足です。
ジュゼッペ・ヴェルディ作曲
「シモン・ボッカネグラ」プロローグと第3幕のメロドラマ
台本:フランチェスコ・マリア・ピアーヴェ、アッリゴ・ボーイト
指揮:リッカルド・ムーティ
演出:エイドリアン・ノーブル
美術:ダンテ・フェレッティ
衣裳:マウリツィオ・ミレノッティ
合唱指揮:ロベルト・ガッビアーニ
シモン・ボッカネグラ:ジョルジョ・ペテアン
マリア・ボッカネグラ(アメーリア):エレオノーラ・ブラット
ガブリエーレ・アドルノ:フランチェスコ・メーリ
ヤーコポ・フィエスコ:ドミトリー・ベロセルスキー
パオロ・アルビアーニ:マルコ・カリア
ピエトロ:ルーカ・ダッラミーコ
伝令:サヴェリオ・フィオーレ
侍女:スィムゲ・ビュユックエデス
ローマ歌劇場管弦楽団、ローマ歌劇場合唱団
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2013年10月にオーチャードホールでのムーティ講演会『ムーティ、ヴェルディを語る』で語られたことがまさに実践されたようなムーティ指揮のローマ歌劇場「シモン・ボッカネグラ」。
音楽と言葉が一体となったドラマティックな公演で、大変、素晴らしかった。
講演会の時、「ヴェルディのオペラは『言葉の劇場』と言うだけあって、言葉の一語一語に、そして音楽の一音一音に感情がこめられている」とムーティが語っていた通り、風の音、海の波音といった情景描写、また人間の喜怒哀楽、あらゆる感情表現が端的に音楽で表現された「シモン・ボッカネグラ」。
時には立ち上がって緻密に細かく指示を与えるムーティさんの理知的な指揮からは、渋く陰影のある音色、はたまた神の祝福を願う天上の音楽が奏でられたりと、終始、叙情的かつ格調高い演奏で素晴らしかった。
出演歌手のうちメーリ、ベロセルスキー、ダッラミーコ、フィオーレ、ビュユックエデスの5名は、2013年夏のザルツブルク音楽祭でのムーティ指揮ローマ歌劇場の「ナブッコ」にも出演していた歌手。
どの歌手もパワフルで情熱的な歌唱で上手い。
雄弁な音楽と共に迫力のある二重唱、三重唱が素晴らしく、何度も感動させられた。
特にシモンとアメーリアの二重唱や最終幕でのシモンとフィエスコが和解する二重唱は涙もの。
フリットリの降板にはがっかりさせられたが、蓋を開けてみれば、代役のエレオノーラ・ブラットも清楚な初々しさが役柄にあっていて素晴らしかった。
よく通る凛とした美しい歌声でフリットリとはまた違った魅力のある1982年生まれの若手歌手。
弱音も高音も美しく、またいつか聴いてみたいと思わせる歌手だった。
メーリの爽やかで伸びやかなテノールにも惚れ惚れ。
昨秋の講演会で変な演出を痛烈に批判していたムーティさんらしく、演出は古風な品の良いもの。
三越デパートにあるようなライオン像まであった。
昨今の前衛的な変な演出が嫌いな私にとっては、大満足の演出。
音楽と歌手が素晴らしければ、今回のように演出はそれを邪魔しない程度のもので十分です。
最終幕フィナーレで最後の一音が鳴り止むと同時に、ブラボーの歓声が飛んだのはちょっと残念。
せめてムーティがまだ腕を挙げている間は、もう少しシモンの死を悼みながら悲しみの余韻を味わいたかった。
それ以外は大変、素晴らしい公演で大満足です。
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