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ミュンヘン・オペラ・フェスティバル2015 「マノン・レスコー」 [オペラ(海外)]

Manon Lescaut 

pera in four acts

Composer Giacomo Puccini · Libretto after Abbé Prévost's novel "Histoire du Chevalier Des Grieux et de Manon Lescaut" by Ruggiero Leoncavallo, Marco Praga, Domenico Oliva, Luigi Illica, Giuseppe Giacosa, Giulio Ricordi and Giuseppe Adami
In Italian with German surtitles | New Production

Munich Opernfestspiele
Tuesday, 28 July & Friday, 31. July 2015
08:30 pm – 11:20 pm
Nationaltheater

Musikalische Leitung: Alain Altinoglu
Inszenierung: Hans Neuenfels
Bühne: Stefan Mayer
Kostüme: Andrea Schmidt-Futterer

Manon Lescaut: Kristine Opolais
Lescaut: Markus Eiche
Il cavaliere Renato Des Grieux: Jonas Kaufmann
Geronte di Ravoir: Roland Bracht
Edmondo Dean Power
L'oste Christian Rieger
Il maestro di ballo Ulrich Reß
Un sergente Christoph Stephinger
Un lampionaio Petr Nekoranec
Un commandant eEvgenij Kachurovsky
Un musico Rachael Wilson

Bayerisches Staatsorchester
Chorus of the Bayerische Staatsoper

*****

7/28と7/31の「マノン・レスコー」を鑑賞しました。

やっぱり何度見てもカウフマンは素晴らしいです!
ネトレプコ同様、カウフマンもオペラ歌手兼役者で、演技も歌も本当に上手い。
おまけに声良し、ルックスも良しで、情熱的に歌うのですから、魅了されてしまいます。
ドタキャンばかりするけれど、実演が素晴らしいので、結局はどんな我がままもみんな許せてしまうのですよね~(笑)。

最終幕フィナーレのマノンが死ぬ場面なんて、カウフマンは手の指先までふるわせてのきめ細やかな演技で、俳優顔負けの熱演。
歌唱力がない歌手がオーバーアクションをされると白けさせられるけれど、カウフマンは表現力豊かな歌声で素晴らしいので、心底、感動させられました。

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マノン・レスコー役はラトヴィア生まれのオポライス。
指揮者ネルソンスの奥様で、今回のオペラ・フェスティバルでも蝶々夫人とマノン・レスコーの2演目のタイトルロールを演じる活躍ぶり。
最低音が出にくそうだったけれど、美人なので役柄にはあっていた。
個人的にはそう好きな声質でもないけれど、まあまあと言ったところでした。

演出は、かのノイフェルスの奇異な演出で、全体的に基本は黒白モノトーンの舞台。
ネズミ、鳥、ネコ、猿・・みたいな動物や狩人がぞろぞろと出てくる動物ワールド(?)。
奇異な演出の意図は理解できなかったけれど、カウフマンが素晴らしかったので、それだけで十分満足です。

1回目(7/28)の鑑賞時の席は、オケピット横のProszeniumsloge(前桟敷)というボックス席の最上階。

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客席への行き方がわからなかったので、係りの人に尋ねたら、案内してくれ、部屋のカギを開けてくれました。
中に入ると絵画や鏡が飾られた小さなリビング。

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奥にドアが2つあり、左側はクローゼット、右側の扉はボックス席へと続きます。
ボックス席には椅子が4脚並んでおり、ゆったりと見ることができました。
ほぼステージ真横からの鑑賞ですが、舞台がすぐ間近でオペラグラスなしでもよく見えました。

客席から見たステージはこんな感じです。

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去年、歌劇場のバックステージツアーに参加した時、この前桟敷席は、下段が芸術監督用、中断は劇場総監督用、私が見た上段ボックスは重要なスポンサー用のプレミアムサークルボックスで、通常、一般の人が購入できない客席だと説明を受けました。
多分、二度と座ることのない客席ですので、貴重な体験ができました!

2回目に鑑賞した7/31は、オペラ・フェスティバル最終日でしたので、歌劇場前の広場に大スクリーンが設置され、「Oper für alle」というライブビューイングが行われました。

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公演終了後は、出演者たちが、劇場外の広場前に姿を現し、最後は、いっせいに風船を飛ばして、今年のオペラ・フェスティバルがお開きとなりました。

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ミュンヘン・オペラ・フェスティバル2015 「ドン・カルロ」 [オペラ(海外)]

Don Carlo

Opera in five acts

Composer Giuseppe Verdi · Text by Camille du Locle after the Italian five act version of 1886 and 1867
In Italian with German surtitles

Munich Opernfestspiele
Monday, 27. July 2015 & Thursday, 30 July, 2015
06:00 pm – 10:30 pm
Nationaltheater

Musikalische Leitung: Asher Fisch
Inszenierung, Bühne, Kostüme und Lichtkonzept: Jürgen Rose
Mitarbeit InszenierungFranziska Severin LichtMichael Bauer ChöreSören Eckhoff

Philipp II, König von Spanien: René Pape
Don Carlos, Infant von Spanien: Alfred Kim
Rodrigo, Marquis de Posa: Simone Piazzola
Der Großinquistor: Rafal Siwek
Ein Mönch: Goran Jurić
Elisabeth von Valois: Anja Harteros
Die Prinzessin Eboli: Anna Smirnova
Tebaldo, Page Elisabeths: Eri Nakamura
Der Graf von Lerma: Francesco Petrozzi
Ein königlicher Herold: Francesco Petrozzi
Stimme vom Himmel: Golda Schultz

******

フォンテンブローの森の場面付きの全5幕。
前半は第1幕~3幕までの2時間10分超で一気に上演し、後半は第4幕~5幕を約90分。

2015年7月27日と30日の2回、鑑賞しましたが、パーペ(フィリッポ二世)、ハルテロス(エリザベッタ)、スミルノヴァ(エボリ公女)が最高に素晴らしかった!
この3人、欧米の歌劇場で何度も歌い演じているだけ持ち役とあって、これ以上は望めないと思えないほどの素晴らしさ。
歌唱の上手さだけではなく、演技にも深みがあり引き込まれた。

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ドン・カルロ役はヴァルガスの代役。
アルフレッド・キムは歌うのに精一杯で、他の歌手に比べると、表現力や演技は稚拙で、まるで演奏会形式で歌っているかのよう。
重唱でも一人、声が飛んで来ず、まだこれからといった感じです。
他の歌手が良かっただけに残念です。

私が今までみたドン・カルロ役で一番、素晴らしいと思ったのが、やっぱりカウフマン!
どうせならカウフマンが代役で歌ってくれたら良かったのに・・・と思ってしまいました。

キーンリサイドの代役でロドリーゴを歌ったシモーネ・ピアッツォーラはとても良かった。
バイエルン専属歌手の中村恵理さんものびのびと歌っていて、今回も大活躍。

ユルゲン・ローズの演出は奇をてらわないモノトーンを基調にしたオーソドックスなもの。
とはいうものの、第1幕でカルロと二人で合っていたエリザベッタが咎められて、付き人の伯爵夫人と別れる場面。
ここで、すでにフィリッポ二世とエボリが互いに目配せをし、2人の関係が早々にあったことを暗示させられる演出で、細かな所で意外性があったりした。
結局、エボリ公女はフィリッポ二世とカルロの二股ということになるのでしょうか?
これほど早くからエリザベッタが裏切られていたのか思うと、なおさら哀れに思えた。
ハルテロスの凛とした美しさと、はかなげな風情が、同役にとても合っていて、心揺さぶられた。

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ミュンヘン・オペラ・フェスティバル2015 「エフゲニー・オネーギン」 [オペラ(海外)]

Eugene Onegin

Information
Lyrical scenes in three acts (seven pictures)

Composer Peter Tschaikowsky · Peter I. Tchaikovsky and Konstantin Shilovsky after Alexander Pushkin's verse novel
In Russian with German surtitles

Munich Opernfestspiele
Sunday, 26, July, 2015
Wednesday, 29. July 2015 &
07:00 pm – 10:00 pm
Nationaltheater

Musikalische Leitung: Leo Hussain
Inszenierung: Krzysztof Warlikowski
Bühne und Kostüme: Małgorzata Szczęśniak
Licht: Felice Ross
Choreographie: Saar Magal DramaturgiePeter Heilker DramaturgieMiron Hakenbeck ChorSören Eckhoff

Larina: Heike Grötzinger
Tatjana: Anna Netrebko
Olga: Alisa Kolosova
Filipjewna: Elena Zilio
Eugen Onegin: Mariusz Kwiecien
Fürst Gremin: Günther Groissböck
Ein Hauptmann: Evgenij Kachurovsky
Saretzki: Günther Groissböck
Triquet: Ulrich Reß
Lenski: Pavol Breslik

******

ネトレプコ主演の「エフゲニー・オネーギン」、7/26と7/29の2回鑑賞しました。

ロシア出身のネトレプコがロシア・オペラをロシア語で歌ったら水を得た魚のよう。
ネトレプコが圧巻の歌唱と演技力で素晴らしいタチアーナを演じてくれました。
スケール感のある余裕の歌唱で、内気な田舎娘から貫禄の気品ある公爵夫人まで見事に歌い演じて、まさに大女優にしてディーヴァです。!
顔の表情、目の動き、仕草、演技と細やかな演技にまで行き届いています。

第一幕の田舎娘タチアーナ (歌劇場HPより)

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「手紙の場面」での迫真の一人舞台。
広い舞台を縦横に動き回っての、情熱的な圧巻の歌声は感動的で涙させられました。 (歌劇場HPより)

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最低音から最高音までの音域の広さと表現力ある見事な歌唱に感服。
弱音でありながらも豊かな情感ある歌声で、魅了されました。
そのうえ余裕の演技で、誕生日の場面ではケーキの生クリームを指にとって5~6口食べていた!

演出は、「ルチア」と同じくクシシュトフ・ワルリコウスキ演出の現代読み替え版。
開演前から、スロットマシーンや、ビヤガードが並ぶ舞台には、合唱団や出演歌手が勢ぞろい。

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舞台上にあるテレビでは、冒頭の場面では1994年リレハメル・オリンピックのフィギュア女子金メダリスト、オクサナ・バイウルがチャイコフスキーの「白鳥の湖(黒鳥)の音楽にのって演技する映像が、続いて「手紙の場面」の乳母に手紙を託すあたりでは、アポロ月面着陸の映像が映っていた。

タチアーナの誕生日で、オネーギンとダンスをしたタチアーナ。
一見、太めに見えるネトレプコだけれど、脚がすらりして細いのにはびっくり!
素敵なおみ足です!! (歌劇場HPより)

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第2幕開演前の舞台はステージ上にベッドがあり、カウボーイハットの男性がいるだけ。

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レンスキーとオネーギンがこの同じベッドにいて、そこで決闘するという奇抜な演出。
有名なポロネーズは、レンスキーの死体をシーツで包んで運び出す男性カウボーイのダンスにとってかわった。
最終幕の公爵邸の客も女装の男性ばかりで、チャイコフスキーがホモセクシャルであったことを暗示するような演出でした。

オネーギン役のクヴィエチェンは歌は上手いのだけども、ネトレプコの迫真の演技のもとでは、影が薄かった。
レンスキー役は、ルチアに続いて連日出演のBreslik。 歌も上手く、美声だけれども、やはりネトレプコに食われて印象が薄い。

レオ・フセイン指揮のオケは、暗めの渋い響きがロシア的なドラマティックな演奏。

演出は変わっていましたが、とにもかくにも大女優&歌手のネトレプコに魅了された公演でした!

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